子供が小学校に上がったら仕事復帰を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、結婚、出産、子育て…をしている間に仕事のブランクは10年空いてしまっています。
数年前の私がその状態でした。
何のスキルも職歴もない私が不安を解消したのが資格の取得です。やばいと思ってから資格の勉強をし、今では正社員として働いています。
この記事では仕事復帰に役立つ資格と取得方法、難易度をご紹介します。
記事を読み終えると仕事復帰への第一歩が踏み出せるようになります。
この記事を書いたのは…
この記事を書いているのは、第151回・合格率12.7%日商簿記2級に合格しました。
改定後、連結会計が初めて出された簿記検定の合格者なので、信頼性もあると思います。
執筆・マコのより詳しいプロフィール
こちらが合格証明書です。賞状のような合格書は引越しの時に紛失してしまったので、再発行していただきました。
専業主婦の再就職には資格が有利
専業主婦が再就職する時には資格があった方が採用までのスピードが上がります。また、良い条件の会社にも勤めやすくなります。
例えば、リモートOKの会社や子供が熱を出したら休める会社、時給や月給のいい会社など誰もが入りたい会社に入るためには選ばれる人にならなければなりません。
事務職の求人倍率
2021年現在、事務職の求人倍率は上がっており30人に1人しか受からない状況が当然になっています。そんな中で書類選考を突破するには、履歴書に書ける資格があった方が有利に選考は進みます。
資格が評価される理由
資格を持っていると一定レベルの知識がある人とみなされます。さらに、資格を取得したモチベーションや勉強時間の調整方法など管理能力も評価の対象となります。
専業主婦をしながら自発的に資格取得のために動いた経験は自分の自信にもつながります。
仕事復帰をしたいけれど何となく不安な方は、資格試験の勉強から始めるのもおすすめです。
何の仕事がしたいかわからない30代主婦に合う仕事
何の仕事がしたいか分からないなら、希望条件から仕事を検索してみましょう。
30代主婦の仕事の探し方
どんな職業につきたいか分からない時には条件から選ぶのも一つの方法です。
仕事はお金を稼ぐものと割り切って働き、稼いだお金と自由な時間で趣味に没頭すると充実感が味わえます。
パート探しサイトや転職サイトで地域名と希望条件を選ぶと求人情報が表示されます。
例えば、
場所:新宿駅から徒歩5分以内
職種:事務職
時給:1,000円以上
服装:自由、ネイルOK
その他:時短勤務、ブランクOK
と検索すると141件以上の求人がありました。平均1200円だった時給の中で1,300円以上の求人には「簿記2級保有者歓迎」や「宅建資格必須」などの条件があるものが多かったです。
30代主婦におすすめの資格
ここからは時給1000円以上になりやすく、持っていると仕事復帰しやすい資格を紹介します。
簿記2級
事務職に就きたいなら簿記2級がおすすめです。
どの会社にも経理課があるので、求人の数も多いですし簿記2級資格を持っていると即戦力として採用されやすくなります。
簿記試験では企業内でのお金の流れの記録を付けることがメインの内容になります。
簿記には3級、2級、1級とあり、簿記2級の合格率は20%前後と低いので持っているだけで努力できる人とみなされやすいです。
簿記を取得すると数字にも強くなるので、家計管理にも活かされてお金も溜まりやすくなります。
【簿記2級だけではは就職できない!採用コツ3つと経理以外で活かせる職種と)】
資格手当も期待できる
簿記2級や簿記1級は持っているだけで毎月5,000円程度の手当てが付く会社もあります。
1度取得してしまえば更新の必要もありませんし、簿記の価値は10年以上価値が落ちていないので取得して損はありません。
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【簿記2級の初心者が合格した勉強方法と独学おすすめテキスト】
宅地建物取引士
宅地建物取引士を持っていると賃貸物件の仲介を行う会社など不動産を取り扱う会社への仕事復帰がしやすくなります。アパートやマンションの仲介業者では1支店に1人宅地建物取引士の登録が必要なので資格があるだけで採用されやすい状態が続いています。
宅地建物取引士は不動産の売買や賃貸契約時に必要な国家資格で合格率は16%前後と低いので、価値があります。
実際の業務では契約の内容の説明や契約の締結などを行う責任のある仕事なので、やりがいもある仕事です。試験は1年に1回と挑戦するチャンスは少ないので、入念な準備が必要になります。
資格手当
資格手当として5,000円~10,000円を支給する会社も多いです。また、宅地建物取引士を
持っていると不動産の売買や仲介もできるのでインセンティブ手当も付きやすく昇給も期待できます。
簿記2級の難易度は宅建レベル!パート主婦が11カ月で合格したコツ
医療事務
医療事務を持っていると個人病院や総合病院の事務や調剤薬局の事務として働きやすくなります。
医療事務の業務内容は「窓口業務」「クラーク業務」「レセプト業務」3つに分けられます。
実務では診療費用の計算や会計の他にカルテの準備や検査データの準備電話応対など多岐にわたります。
業務内容の概要が分かるので未経験から医療事務を始めたい方にはおすすめの資格です。
合格率は50%程度と2人に1人は合格できる比較的やさしい試験ですし、通信講座だけで取得できます。
介護系資格
介護資格系の資格は様々な運営団体が民間資格を設けています。
有名なものは「介護事務管理士」「ケアクラーク」「介護報酬請求事務技能検定」で、どれも合格率は約50%と医療事務と同レベルの難易度です。必須資格ではありませんが、持っていると介護系の職種につきやすくなります。
介護事務では国と利用者本人に請求する金額の割合の計算や請求書の発行、送付などがメイン業務となります。また、利用者の介護認定によって請求金額が変わるので、利用者の質問に答えられる知識も必要になります。
高齢化に伴い介護系の求人は増え続けることが予想されています。
人柄も求められる
介護事務では人柄や要領の良さも求められます。
介護施設では事業所を利用する高齢者とその家族の窓口にもならなければなりませんし、介護士やケアマネージャーなど現場の方との橋渡しも求められます。また、スタッフが少ない施設では事務員であっても介護業務の一部を担わなければならないこともあります。
登録販売者
薬局やコンビニなどで第2類・第3類医薬品の販売ができる資格です。国の制度としては必要とされていますが、国家資格ではありません。合格率は40%、年1回各都道府県で実施されている登録販売者試験で合格する必要があります。
医薬品を購入するお客様への説明や症状に合わせた医薬品の提案などが必要となる業務なのでコミュニケーション能力も必要となります。
薬剤師は薬の調合と第一類の医薬品の販売もできるという違いがあります。
ファインナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは税金、投資、住宅ローン、不動産などお金に関する知識を学ぶ資格です。
ファイナンシャルプランナーには国家資格と民間資格の2種類がありますが、国家資格の方が権威性はあるので仕事復帰には有利に働きます。
国家資格のファイナンシャルプランナーは「FP技能士」と呼ばれ、3級、2級、1級と段階があります。仕事で評価されるのは2級からです。
FP技能士の合格率は40%前後なので、簿記2級や宅建と比べると難易度は低めです。
資格取得後は銀行や保険、証券などの金融業界、住宅メーカーや物件仲介業などローンや資産に関わる業種につき、知識を使って顧客にアドバイスができるようになります。
合わせて取得するとさらにいい
簿記2級や宅建士と合わせて取得すると専門の幅が広がるので、個人として独立もしやすくなります。
在宅でも仕事復帰できる資格
在宅で働きたい方も資格やスキルがあった方が働きやすく、収入にもつながりやすいです。
在宅であれば、時間に融通も聞きますし、夏休みや春休みなど長期休みでも子供の預け先を探さなくてもいいというメリットがあります。専業主婦からいきなり会社への仕事復帰が不安な方は在宅で仕事をして練習するのもおすすめです。
ネイリスト
ネイリストは施術用の机と椅子が2脚あれば自宅の一室でも開業できる手軽さが魅力の仕事です。
開業にも施術にも資格は必要ありませんが、爪の健康状態やスプレーやアートなどを本格的にしたいなら資格を取得した方がいいです。ネイリスト検定には初級と2級があり、通信講座を利用すれば6か月くらいで試験に挑めるレベルになります。
試験は会場で行われ、内容は実技試験と筆記試験です。
「ネイリスト検定2級以上」を取得するとネイルサロンへの就職もしやすくなります。また、知識と技術を持っていれば、ネイリスト養成スクールの講師として勤務する選択肢も広がります。
プログラミング
プログラミングができるとwi-fi環境とパソコンが1台あれば、自宅でもカフェでも場所を選ばずに働けます。
プログラミングはネットショッピングのカート機能やアプリを作れるスキルです。プログラミングの種類はJava、PHP、Rubyなど複数あり、それぞれに民間資格があります。
例えばRubyの技術者認定試験には「Oracle 認定 Java資格」があり合格率は60%くらいです。資格よりも実務経験が重視されるので、アプリの開発やWEBサイトの構築ができるようになれば、クラウドワークスやランサーズを通して仕事が始められます。
クラウドワークスでは常にプログラミングの案件が掲載されていて、相場価格は10,000円~300,000円以上です。
在宅でフリーとして働いて実績を積んだ後に、会社へ仕事復帰もできるスキルです。
WEBデザイナー
プログラミングと合わせてWEBデザインもできるようになると1人でWEBサイトの作成ができるようになります。
WEBデザインの資格には国家検定制度のウェブデザイン技能検定があり、厚生労働省の指定を受けて実施されています。通信でも通学でもWEBデザインの勉強はでき、費用は300,000円程度です。この他にパソコンと画像作成ソフトが月額6,000円弱かかりますので、簿記や宅建などと比べると高いです。
独学でも十分学べますので、サイトをまねて作ってみることから始めてみましょう。
資格は2級以上がおすすめ
ウェブデザイン技能検定を取得するなら難易度が高い2級を目指した方が、仕事復帰しやすいです。
3級の難易度は低く、実務経験のない初学者でも受験することができますが、2級や1級は実務経験が必要です。合格率は1級:81.8%、2級:49.7%、3級:73.7%ほどとなっています。
2級からの試験内容が急に難しくなっているため、合格率が低くなっています。1級の受験者は実務経験者が多いことから高くなっています。
資格がなくても仕事ができる
WEBデザイナーの資格がなくてもクラウドワークスやランサーズを通して仕事も引き受けることは可能です。
実績が5以下の時やポートフォリオサイトができるまではプロフィールに資格があった方が信頼につながるので、採用率は上がります。
WEBデザイナーやプログラミングではスキルや経験・実績が求められるので資格は必要ないという意見もあります。仕事復帰でIT系に転職を考えているなら、採用側の目安になるので取得して損はない資格です。
専業主婦が資格を取る3つのメリット
専業主婦の今だからこそ資格を取得した方がいい理由を3つご紹介します。
私は専業主婦の時も子育てで時間がないと感じていましたが、仕事復帰したらもっと時間がないという現実を知りました。通勤時間や拘束時間が少ない専業主婦のうちに進めておくことをおすすめします。
仕事復帰しやすい
資格を取得していると書類選考で落ちにくくなります。
100通以上届く履歴書で人と差をつけるには「職歴」か「資格」が書いてあった方が、人事の目に留まり、面接へと進めます。
結婚と同時に退職して、出産や育児を2回経験するとあっという間にブランクは10年です。
10年間子育てだけをしていた主婦と子育てをしつつ資格を取得した主婦の方が選ばれやすくなります。
また、資格取得に向けて勉強していれば生活にメリハリも出ているので、仕事復帰後の時間の使い方も上手になれる効果もあります。
条件のいい仕事が選べる
資格があると条件のいい仕事を選びやすくなります。
どの企業も優秀な人材は積極的に採用しているので、必要な資格を取得している方は売り手市場になっています。
例えば、子持ちの方であれば時短勤務の正社員や子供の行事に合わせて休みが自由にとれるなど条件のいい仕事にも採用されやすくなります。
専門性の高い資格や業種に必要なスキルを持っている方ほど会社にとってほしい人材となります。その証明として資格を持っていることは目安になってくれます。
自信につながる
「資格に合格した」経験は自分の自信になります。
簿記2級や宅建など難しい資格として有名であれば、家族や友人からも評価されるので周囲からの祝福を受けさらに自信が付くでしょう。
合格という成功体験があると「次もきっとうまくいく」というプラスの考え方ができるようになるので、仕事復帰後にもいい影響が出ます。
また、自信が付くと面接でも堂々とした立ち振る舞いができるので採用確率も上がります。
資格の選び方
資格は自分の今後の生活や家庭環境、働き方に合ったものを選ぶと時間とお金の節約につながります。
資格は数よりも質が大切です。
やみくもに取れる資格を集めていくのではなく、一貫性があり、将来につながる資格の取得を選びましょう。
資格取得には費用がかかります。
しかし、仕事復帰すれば、1カ月程度で回収できますので費用は惜しまずに自己投資と捉えましょう。
どんな仕事がしたいか明確にする
自分が付きたい仕事ややりたい職種に必要な資格を選ぶといいです。
例えば、銀行や保険など金融系で働きたいなら、ファイナンシャルプランナーの資格が役立ちますし、経理職や事務職に就きたいなら簿記2級がおすすめです。
職種や業界で求められる資格を選びましょう。
迷ったら簿記2級
資格選びに迷っているなら簿記2級がおすすめです。
簿記2級は営業職から経理職まで幅広い場面で役に立ちます。また、難易度がそこそこ高いので「簿記2級取得者=努力できる人」というイメージが付いているため、採用されやすくなります。
私は簿記2級取得後、1社目で採用されました。
現在はWEBマーケティング職なので簿記2級で勉強した仕訳は全く使いませんが、考え方や数字の見方の面ではとても役立っています。
実習がない資格にする
専業主婦には通信講座や独学で学ぶことができて、実技講習がなくても取れる資格の方がおすすめです。また、試験は1日~3日以内の物を選ぶと負担も少ないです。
実習が必須となる資格は子育てや家事で忙しい主婦には時間的に厳しいからです。特に子供がいる場合には風邪を引いたり、想定外の事態も起き自分の思い通りに進められなくなります。
家族に負担をかけることなく資格の勉強を進めると快く資格試験に向けて勉強していることをサポートしてくれるでしょう。
難易度が高めの資格を取得する
合格率は40%以下の資格を選んだほうが、希少価値が上がります。
資格は数よりも質が大切です。
例えば、無名な10の資格よりもたった1つの司法書士資格の方が価値は高いです。また、ジャンルがバラバラの資格を持っていても資格マニアと捉えられて、採用にはつながりにくいことがあります。
資格選びに迷ったら難易度が高いもの、できれば民間資格よりも国家資格を選びましょう。
専業主婦が資格を取る方法
家事や育児で忙しい専業主婦が資格取得する方法を3つご紹介します
私もこの方法で合格率12.7%の簿記2級に合格しました。
隙間時間を有効活用する
スキマ時間を勉強時間に充てることは専業主婦が資格に合格するコツです。
育児や家事など1日のスケジュールの中で細切れにやらなければいけないことがあるのでまとまった時間を作るのは1~2時間が限界だからです。
例えば、夕飯を作る20分、子どものお迎えまでの10分間など普段ならスマホでSNSを見る時間を資格の勉強時間に変更しましょう。
また、子どもが昼寝した1時間は絶好の勉強時間です。隣で寝ていないと起きてしまう時にはスマホアプリから講義を聞いて、アプリで問題を解く勉強法もあります。
生活の一部に勉強時間が組み込まれると暗記科目も覚えやすくなります。
周りに宣言する
家族や友人に〇月までに○○の資格を取ると宣言しましょう。
その後、就きたい職種や働き方も一緒に伝えるとさらに効果的です。
例えば、
「11月の簿記2級試験に合格して、4月から時短勤務の正社員として仕事復帰する!」
「プログラミング資格2級を手に入れて、在宅で月収5万円以上稼ぐ!」
など具体的であるほど目標を見失いにくくなります。
周囲に宣言すると自分へのプレッシャーになるので挫折の可能性も減ります。
今すぐ行動する
今すぐ、資料請求や通信講座の申し込みを始めましょう。
今の熱量は残念ながら3日くらいしか続きません。
何をしようかな…どこに申し込もうかな…と迷っている間に時間だけが過ぎていってしまいます。
無料の資料請求だったとしても行動することで仕事復帰への道が開けます。
まずは資格取得への一歩目を踏み出しましょう。
失敗しない簿記2級おすすめ講座厳選5選/費用と教材内容をコスパで比較
専業主婦が仕事復帰するなら資格が有利のまとめ
・専業主婦が再就職するなら、資格があった方が採用されやすい。
・何の仕事がしたいかわからない30代主婦は、求人サイトで希望の条件を入力する。そこから必要な資格を逆算するといい
・30代主婦におすすめは簿記2級や宅健など難易度が高い資格
・在宅でも仕事復帰するにはプログラミング系などパソコン1台で仕事ができる資格かネイルサロンなど自宅で開業できる資格をとるといい
・専業主婦が資格を取るとメンタル面・経済面・社会面で3つのメリットがある
・資格の選びに迷ったら、応用が利きやすく社会的評価も高い簿記2級がおすすめ
・専業主婦が資格を取るにはスキマ時間の有効活用が鍵