簿記2級の独学は時間が必要!難しくても頑張れる人へ

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簿記2級に独学で合格するのは無理ではありませんが、難しいです。

実は簿記2級に独学で合格するのが難しいのには3つの理由があり、それらを克服できる方であれば簿記2級に独学で合格することもできます。

この記事では簿記2級が独学で難しい理由を根拠と共に解説し、合格するために必要な5つのポイントをご紹介します。
この記事を書いたのは…

簿記2級,監修

この記事を書いているのは、第151回・合格率12.7%日商簿記2級に合格しました。
改定後、連結会計が初めて出された簿記検定の合格者なので、信頼性もあると思います。

執筆・マコの詳しいプロフィール

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こちらが合格証明書です。賞状のような合格書は引越しの時に紛失してしまったので、再発行していただきました。

簿記2級の独学は難しい3つの理由

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簿記2級は独学での取得が難しい資格と言われる理由を3つに分けてご紹介します。

1.出題範囲が広い

簿記2級は簿記3級の2倍以上の出題範囲となり、商業簿記の他に日常生活で馴染みのない工業簿記も出題されるので、理解に時間がかかります。

商業簿記と工業僕の配点は60:40となっているので、どちらも勉強しなければ合格はできません。また、簿記2級の試験は1問目の答えを利用して、2問目を解く問題も多いのも特徴の一つです。

商業簿記の大問3では財務諸表のように1つでも計算を間違えるとドミノ方式に間違えてしまいます。芋づる式に不正解になるのは工業簿記も同じです。

工業簿記の出題範囲である原価率計算は、工場に事務員として勤めている方でも出し方が分からないので、0から勉強しなければいけません。現場では難しい原価率計算も「材料費」や「労務費」を入力するだけでパソコンソフトが代行してくれます。

出題範囲の広さと馴染みのない内容が独学だけでの合格が難しい理由です。

2.2016年の追加された論点が難しい

簿記2級では数年に1回、簿記1級から論点が追加され、最近では2016年に追加されました。追加された論点が複雑で理解しにくく、簿記2級の合格より難しくしています。

2016年に追加された論点
課税所得
圧縮記帳
リース取引
外貨建取引
連結会計
税効果会計
アップストリーム・ダウンストリーム
製造業を営む会社の決算処理

追加された中でも連結会計は簿記2級の難易度をあげています。
論点が追加されたばかりですと、参考となる過去問がないので、問題の出し方や配点などの傾向と対策が立てにくいです。

予備校や通信講座では追加された直後から授業に入れ込んでくれるので、常に最新の情報が手に入ります。独学の場合には情報が少ない事が合格を難しくしています。

簿記2級の難易度は【簿記2級の難易度は宅建レベル!パート主婦が11カ月で合格したコツ】をご覧ください。

3.独学では質問できない

簿記2級について質問できる人がそばにいないと、理解するまでに時間がかかります。

問題を解き、解説を呼んでも理解できなかったときに、質問できる人がいないので自分でネットや参考書から分かるまで調べて理解しなければなりません。何度挑戦しても理解できない問題は諦めるか、パターンを暗記するかの2択になりますが、どちらも合格を遠ざける行動です。

周囲に簿記2級の取得者がいたとしても、新しく追加された論点については説明できないことも多く、頼りになりません。

周りに簿記1級程度の知識を持っている人がいなければ、簿記2級を独学で取得するのは難しいです。

簿記2級の合格率と相性

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簿記2級の合格率は回によって異なりますが、平均すると15%~20%です。

相性が良いと合格できる

簿記2級の合格点は毎回70点以上と決まっているので、出題の難しさによって5%程度前後しています。出題される問題と自分の得意な範囲が重なれば、余裕をもって合格することが可能ですが、苦手な範囲があると自分の合格率は下がります。

私が合格した第151回(平成31年2月)の試験は合格率12.7%と新聞にも載るほど低い合格率でしたが、86点で合格しています。その1回前の150回(平成30年11月)の合格率は14.7%と高かったにもかかわらず、68点で不合格でした。

合格率は問題による

問題が難しくなると合格率は下がります。

第151回の試験では連結会計が大問題として出題されたことが、合格率を下げた原因の一つと考えられます。過去の問題から傾向と対策が組みにくかったことから受験生を苦しめる問題となりました。

難しい問題があったとしても、解ける問題は必ず用意されています。
解ける問題でミスをしないことで自分の合格率をグッと上げることはできます。

難しくても独学で簿記2級に合格するコツ

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独学での簿記2級取得は難しいですが、無理ではありません。

「テキスト」「電卓」「時間」の3つが揃えば独学での合格に近づきます。独学で合格するには正しいゴールにまっすぐ進むことが重要です。

自分に合ったテキスト

独学ではテキストや問題集が先生や授業の役割を果たします。

テキストは最新で、中身を開いた時に図や表が書かれていて、読み進めやすそうな参考書を選びましょう。問題集も同じシリーズのもので揃えると範囲や順番がリンクするので分かりやすいです。

参考書も問題集も1セットに絞り、書き込んだり、分からないところは何度も読み込んだりしてボロボロになるまで繰り返し使いましょう。

どの参考書を選んでも内容に大差はありませんので、自分と相性が良いものがおすすめです。

最新のテキストを使う

家族や友人が使っていたものを引き継ぐのは2つの点からおすすめできません。

1つ目は情報が古い事です。
論点追加が行われる前の参考書は出題範囲が抜けていることがありますので、簿記2級の試験当日に知らない問題が出ることになってしまいます。

2つ目はモチベーションが落ちることです。
人が使っていたものですので、マーカーや書き込みがしてあることもありますし、心因でない時点でモチベーションが落ちます。簿記2級では分からないところは人によって違うので、勉強を通して自分だけの参考書を作っていくことが合格には欠かせません。

問題集とテキストをセットで購入しても5000円以内で収まります。
通信講座やスクールの10分の一以下の価格ですので、自分への投資と考え新しい教材を購入しましょう。

簿記2級に合わせた電卓

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電卓は簿記2級の合否に直結するアイテムですので、1000円以上する電卓を選びましょう。

簿記2級試験では鉛筆を持ち替える3秒も無駄にはできないので、電卓は利き手と反対で操作します。1000円以上の電卓であれば、裏に滑り止めも付いていますし、文字盤も大きく作られているので見やすく、使いやすいです。

100円ショップで売られている電卓は絶対におすすめできません。
「00」のボタンがないものも多く、ボタンも押した感覚が分かりにくいのでミスを連発することになりかねません。

電卓は簿記試験の規定に合っていて、1000円以上するものを選ぶことで合格に近づきます。

簿記2級におすすめの電卓は【簿記2級に合格する電卓3つ。シャープかカシオが合格の鍵を握る】をご覧ください。

勉強時間を確保する

簿記2級を独学で進めるならスクールや通信講座以上に勉強時間を長く確保しなければ、合格は難しいです。

独学ではテキストを読み、自分だけで理解しなければならないので、問題を解けるようになるまで時間がかかります。スクールや通信講座の場合でも250時間~500時間の確保が必要と言われていますので、独学で進めるなら最低でも500時間から1000時間は必要だと考えられます。この時間は簿記3級を完全に理解している前提ですので、簿記初心者の場合にはさらに50時間~150時間の簿記3級を学ぶ時間も必要です。

1日3時間、毎日勉強しても半年~10か月の期間が必要です。社会人やワーママ、主婦、学校とバイトなど普段の生活の中で1日3時間をコンスタントに確保するには、遊びや睡眠の時間を割く覚悟が不可欠です。

簿記2級に必要な勉強時間は【簿記2級の勉強時間は150時間~。未経験者は500時間~】をご覧ください。

簿記2級に合格する5つのポイント

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私が「子育て」「パート」をしながら、簿記2級に合格した秘訣を5つにまとめました。

以下の5つを軽視すると合格点に数点足りずに落ちることがあります。私は1回目の簿記2級試験であと2点足りずに落ちた経験があります。

1.簿記3級を正しく理解する

簿記2級の問題は簿記3級を確実に理解している前提で作られています。テキストも簿記3級についてはほとんど触れてありません。

簿記3級資格取得者であっても合格ラインぎりぎりで受かっている方や数年前に取得して、その後簿記に関わる仕事をしていない方は簿記3級の復習から始めることをおすすめします。

簿記3級を1か月以内に受け、90点以上を獲得していた方や経理事務などで日常的に簿記に触れている方であれば問題ありません。また、簿記3級でミスが目立つ人は「自分はどんなミスをすることが多いのか」まで突き詰めておくと簿記2級でもミスが減り、合格しやすくなります。

簿記3級を取得していない方は【簿記2級に合格するなら簿記3級飛ばしは危険ー急がば回れです。】をご覧ください。

2.苦手分野やミスをつぶす

苦手分野やなんとなく分かっているつもりの問題を徹底的につぶすことが簿記2級合格のポイントです。

簿記2級は出題範囲が広いので苦手分野が必ず出てきます。
苦手分野は何度も繰り返し問題を解き、解説を読むことで理解が深まり、苦手な範囲が解ける範囲、得意な範囲へと変わっていきます。

特に工業簿記の苦手分野は優先的に取り掛かりましょう。工業簿記は範囲によって大問が出される傾向があり、解けないと100点中20点を丸ごと失うことになるリスクがあります。

ミスをなくす
「0」を一つ多く打ってしまう、いつも勘定科目の感じを間違えるなど簡単なミスは習慣になりやすいので、その都度直します。
簿記2級の採点では「〇」と「×」の2択で、「△」や「配慮点数」はないので、誰が見ても「〇」が付く回答をしましょう。

ミスをなくすには、間違えたところを1冊のノートにまとめた自分だけの「ミスノート」を作ることが一番効果的です。

【実証済】社会人が試験に合格する勉強ノート!記憶力を上げるコツ。

3.簿記2級の勉強を習慣化する

簿記2級を独学で合格するには基準の勉強時間と言われる500時間から1000時間を確保することが大切です。

効率的に学ぶのが得意な方であってもあらゆる角度から出題される問題解けるようにならなければ合格はできません。問題を解くためには一定時間の確保が必要になります。

例えば、1日2時間の勉強時間を確保するためにはテレビの時間、スマホを触る時間、ユーチューブを見る時間など日常生活の時間と引き換えにしなければなりません。

最初の2週間は簿記の内容が頭に入らず最もつらい期間です。
生活のリズムになっていた趣味の時間を勉強時間に変えるのは、大変ですがモチベーションで乗り越えて、まずは2週間続けましょう。

2週間を過ぎると簿記2級の勉強が習慣化として定着し始め、1カ月経過すると簿記2級の勉強が生活の一部となり、モチベーションに頼らず勉強が進められます。

まずは質よりも量を意識です。

社会人が勉強時間を確保する方法は【社会人が簿記2級に合格する勉強時間を作る3つのコツ】をご覧ください。

4.合格点を意識する

簿記2級の合格は70点以上です。
68点でも100点満点でも合格となりますので、満点をとる必要もなければ、平均点を意識することもありません。特別難しい問題が5問出たとしても、解く必要もありません。

必要なのはできる問題を確実に正解することだけです。

確実に得点を積み重ねる時には簡単なミスをしないことが最も重要ですので、普段から問題を解き終わったら答え合わせの前に見直しをする習慣をつけましょう。試験本番で緊張するのでミスもしやすくなります。
10分以上は見直しの時間を作れるように、問題を解くスピードを上げることも意識して勉強を進めていきます。

5.簿記2級を取得した先を想像する

簿記2級に合格する人は資格を取得した先の未来を具体的に想像できる人です。目的を明確にするだけで簿記2級の取得は通過点の一つになり、挫折しにくくなります。

例えば、簿記2級を取得して事務系の仕事に転職したい、行きたい会社の求人に応募したいなど簿記2級でなければならない理由をはっきりとさせましょう。

「周囲に勧められたから」「なんかすごそうだから」などぼんやりした理由だったら宅健やファイナンシャルプランナーなどの方があっていることもあります。

独学以外で簿記2級に合格する

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独学で簿記2級の合格が難しいと感じたら、スクールに通ったり、通信講座を利用することで合格確率が上がります。
私は通信講座を選んだことで全くの未経験から11カ月で合格できました。

スクールや資格の予備校に通う

簿記2級合格に向けた授業やスクールオリジナルテキストなど必要な教材は全て受講料に含まれています。簿記3級修了者に向けた講座は80,000円前後で、5カ月間で2級合格にできるようなプランが組まれています。

WEB講義と教室講義があり、教室講義の方が10000円くらい費用は高くなります。
有名なのはTACやLEC、大原ですが、どれも大差はないので、教室に通いたい方は通いやすい教室を選ぶと負担なく進められます。

授業の曜日や入会期日が決められている上、通学が必要なので、社会人や主婦には向かない勉強方法です。オンライン講義もありますがオンラインを選択するのであれば通信講座の方が30000円以上安く、コスパもいいです。

通信講座で学ぶ

通信講座は内容が充実している割に、値段が安いです。

スクールと同様に問題集からテキスト、講義の動画、合格体験記など必要な教材が全て含まれています。費用は50000円が相場価格です。

ユーキャンなど資格の通信講座の大手から、フォーサイト、スタディなど有名ではないけれど合格率も高く、教材も充実している通信講座もあります。スクールと同様に内容に大差はありませんので、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶと勉強しやすいです。

私が選んだのはフォーサイトです。合格点を取ることに焦点を絞った内容で構成されているので、簿記未経験でも最短ルートで合格できました。
おすすめの通信講座は【失敗しない簿記2級おすすめ講座厳選5選/費用と教材内容をコスパで比較】をご覧ください。

家庭教師をつける

独学が難しいなら、分からない問題にだけ、スポット的に家庭教師をつけるのも一つの方法です。友達や親、兄弟、パートナーが簿記2級資格保有者だったり、経理課に努めているなら家庭教師をしてもらうことをおすすめします。

簿記2級の独学合格が難しいのは、解説を呼んでも分からない問題があるからで、理解できない問題が増えると独学が難しく感じます。

身近にいない時にはzehitomoやココナラでオンライン家庭教師をつけるのもいいです。

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独学での簿記2級合格が難しいまとめ

簿記2級の独学は難しい3つの理由
1.工業簿記と商業簿記があり、出題範囲が広いから
2.2016年の追加された論点が難しいから理解に苦しむ
3.独学では質問できる人がおらず、理解するまでに時間がかかるから

簿記2級の合格率と相性
合格率の低い回であっても、自分と相性が良い問題なら合格できる
合格率はその回に出される問題によって5%以上左右される

難しくても独学で簿記2級に合格するコツ
自分に合ったテキストを選ぶこと
最新のテキストを使い、問題の傾向を掴むこと
簿記2級に合わせた電卓を1000円以上で購入すること
簿記2級に合格できるのに十分な勉強時間を確保すること

簿記2級に合格する5つのポイント
1.簿記3級を正しく理解する
2.苦手分野やミスをつぶす
3.簿記2級の勉強を習慣化する
4.合格点を意識する
5.簿記2級を取得した先を想像する

独学以外で簿記2級に合格する
スクールや資格の予備校に通う
通信講座で学ぶ
家庭教師をつける

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