「簿記3級なんて持ってても意味ないよ」という言葉に勉強を始めるのをためらってしまう方もいるのではないでしょうか?
簿記3級を持っているからと言って就職や転職できるわけではありませんし、給与が一気に上がることもありません。しかし、簿記3級に挑戦することで次のステップへと進みやすくなりますし、自己肯定感も高まります。
自己肯定感が上がると自分の長所をもっと伸ばすことができるので、人間関係も良好になり、収入アップにもつながります。
迷っているなら、簿記3級に挑戦すべきです。
この記事を書いたのは…
この記事を書いているのは、第151回・合格率12.7%日商簿記2級に合格しました。
改定後、連結会計が初めて出された簿記検定の合格者なので、信頼性もあると思います。
執筆・マコの詳しいプロフィール
こちらが合格証明書です。
簿記3級が意味ないと言われる3つの理由
簿記3級は意味がない資格と言われるのには理由があります。まったく意味がないわけではありませんが、使い方や目的によっては通過地点にすぎない資格となっています。
難易度が低めだから
合格率40~50%の簿記3級は難易度が低く「誰でも取れる資格」と思われてしまいます。
商業高校の生徒は在学中にカリキュラムの一環として受験しているので、高校生でも取れる資格という印象がついてしまっているのでしょう。
全商簿記の難易度は日商簿記に比べて格段に低いことも、簿記3級が簡単に取得できる資格と勘違いされる理由の一つです。
転職や就職に有利に働く「簿記2級」「ファイナンシャルプランナー2級」と比べると効果が薄いのも事実です。
持っている人が多い資格なので、意味がないと言われてしまいます。
民間の検定だから
簿記の資格は検定であって資格ではないことも意味がないと言われる原因となっています。
事実、簿記の後ろに付く言葉は「検定」であって資格ではありませんので、取得しなくても実務をこなすことができます。
資格は「宅地建築物取扱責任者資格」や「美容師資格」「運転免許」など取得せずには働けなかったり、違法行為になる資格のことを言います。簿記は実力を証明する資格の一つであって、持っているからと言って実務ができることの証明にはならない資格です。
簿記3級を持っている人よりも実務経験3年位以上ある人のほうが、知識が豊富ですし、持っていなくても経理職に就けることから「意味ない」と言われる原因となっています。
実務レベルでは使えないから
簿記3級を持っているだけでは会社の経理職ではほぼ役に立ちません。
簿記3級の内容は個人事業主レベルですが、会社の事務職で求められる内容は簿記2級レベルだからです。
会社の経理では「従業員の賞与計算」「保険の前払い」「連結会計(株式)」の知識が必要ですが、これらは簿記2級で学ぶ内容となっています。
簿記3級で学んだ内容は、会社の経理にとって超初歩レベルなので意味がないと受け取られてしまっています。
簿記3級を勉強する5つのメリット
簿記3級を取得する過程では仕事面だけではなく生活面でもよい影響をもたらしてくれます。特に効果を実感できる5つのポイントをご紹介します。
家計の管理がしやすくなる
簿記3級を取得すると家計の管理が得意になり、お金がたまりやすくなります。
家庭内であってもお金の流れは個人事業主と同様で、
収入:給与や副業など入ってくるお金
固定費:家賃や携帯料金など毎月かかる費用
変動費:外食費や娯楽費など月によって変わる支出
と分けて把握できるようになります。
お金の流れをつかむことで旅行費の積み立てやローンの返済についても計画的に進められるようになり、家計の管理もしやすくなります。
確定申告に役立つ
簿記3級を取得すると確定申告時に自信が持てるようになりますし、副業をしている人は50万円近くの節税効果が得られるようになります。
個人事業主の確定申告は
・白色申告
・青色申告
の2種類あり、白色申告では10万円の控除しか受けられませんが、青色申告は最大で65万円の控除が適応されます。青色申告をするには複式簿記での提出が必要となるため簿記3級以上を持っていると、すんなりと確定申告が進められます。
ふるさと納税や住宅を購入した時にも簿記3級の知識は役立ちます。
医療控除や住民税、ボーナスの仕組みなども理解できるので、会社への書類請求もスムーズに進められるようになりますし、万が一年末調整で会社側がミスをしていたときにも指摘できるようになります。
ステップアップにつながる
簿記3級に合格するとその次の簿記2級や簿記2級やファイナンシャルプランナー、宅地建築物取扱責任者の資格にも合格しやすくなります。
簿記3級を勉強することで日常生活の一部に「勉強時間」が加わることで、習慣化されるからです。1つの試験に合格することで自信にもつながりますし、「もう一度あの喜びを手に入れたい」という感情もわきます。
難易度が低めの簿記3級はスキルアップの入り口に最適です。
自分の適性が分かる
簿記3級を学ぶことで自分に向いている仕事を判断することも可能です。
簿記では「正確さ」や「コツコツとこなすこと」など事務職にとって必要なスキルを求められます。勉強を進めていく中で数字にうんざりしてしまったり、1円単位で合わせることにストレスを感じたときには数字を取り扱う経理職には向いていないと気づくことができます。
数字がぴったりと合うことや答えを求めることが楽しい、苦にならないと感じたら適職とも言えます。挑戦するだけで、数字を扱う仕事の向き不向きが分かることも簿記3級に挑戦するメリットです。
パートに受かりやすい
簿記3級であっても、事務職パートには受かりやすくなります。
パートの応募者の半数以上は簿記3級の資格すらもっていないため、履歴書の資格欄に「簿記3級」と記載してあるだけで採用担当の目に留まりやすくなります。事務職パート倍率は常に高く平均して20倍以上です。20人の中から選ばれる1人になるためにはまず、書類選考に通過しなければなりません。
輝かしい職歴がない方には簿記3級はアピールポイントの一つとして利用できるため持っておいて徳しかない資格です。
【体験談】簿記3級でパート採用が決定
スキルなし子持ちの専業主婦が簿記3級に合格してからは応募した3社すべてから採用通知をいただくことができました。パートに採用された体験談をご紹介します。
応募先が3倍に増えた
簿記3級を取得してよかったと最初に思えたのは、応募できる企業が増えたことです。ほぼすべての経理や一般事務、営業事務のパートに応募できるようになりました。
事務所パートの応募条件として多いのは以下の2つです。
① 簿記3級保有者
② 3年以上の事務職経験者
会社はパートに即戦力を求めていることが分かります。
応募先が増えたことでチャレンジできる回数も増えましたし、より良い条件で働くことの権利も獲得しました。
面接でアピールポイントになった
履歴書を見た面接官から簿記3級を取得した経緯を聞いていただくことがあり、努力した点として自己PRにつながりました。
私は専業主婦をしていた期間が6年と長かったので、空白の履歴書を見た面接官から「何をしていましたか?」とほぼ毎回聞かれていました。いつでも仕事復帰できるよう簿記3級の勉強をしたという実績は好印象を与えることができました。
会社側は「自分から動ける人」を求めています。
自分で考えて行動したことは、採用されやすいポイントにつながります。
3社から、採用された
簿記3級を取得してからパートに落ちたことがありませんし、書類審査に通らなかったこともありません。
1か月の間に3社から採用通知をいただきました。
簿記3級の資格を取得する過程で身に着けた
・自分で行動して勉強する習慣
・合格できたことで自信がついた
この2点が採用につながったと考えられます。
意味のない資格と言われる簿記3級でしたが、事務職パートでは十分効果がありました。
簿記3級に合格する最短経路
次のステップアップにつながる簿記3級の勉強は早く始めるほど、収入アップや就職できるタイミングも早くなります。私はこの方法を使って3か月以内に簿記3級を取得できました。
簿記3級の取得目安
簿記3級の合格率平均は40~50%と2人に1人は合格できる比較的優しい資格です。正しいルートを進んだ方であれば、合格する側になることができます。
合格ラインに立てる学習時間の目安は約70時間と言われています。
1日に2時間、程度を続ければ、1か月で合格できるレベルまでの知識を身に着けられます。2時間を連続で確保する必要はありません。
午前中1時間、寝る前に1時間というように分けて勉強しても構いませんし、さらに細かく、
・出勤中の30分
・昼休みの30分
・夕食後の60分
と分けて確保しても効果があります。
簿記3級は社会人や子育て中の主婦でも隙間時間を利用して取得しやすい資格です。
最短で合格したいならオンライン講座を利用
短い時間で効率的に簿記3級を取得するなら、オンライン性の通信講座を利用するのがおすすめです。
社会人、大学生、主婦…職業や環境が違っても「自由に使える時間」は限られていますので、無駄なく勉強できる方法を選んだほうが賢明です。早く簿記3級を取得したほうが次のステップにも移りやすくなります。
書店で参考書を買って独学で勉強するよりも費用は高くなってしまいますが、時間は半分以下になるくらい効率は上がります。オンライン講座では問題集や教科書のほかに動画講義など合格するために必要な教材がすべてセットになっているので、迷うことがないからです。
通信講座の中でも特におすすめなのはスタディングです。
動画講義はもちろん、テキストや問題集もオンラインでダウンロードできるので、申し込んだその日から簿記3級の合格に向けて進むことができます。
簿記3級だけでは転職は厳しい
簿記3級は意味のある資格ですが、転職の際には効果は薄いのも事実です。転職や就職を視野に入れるのであれば、簿記2級以上の資格からが評価の対象になると考えましょう。
就職や転職するなら簿記2級
就職や転職のために資格取得を目指すなら、簿記2級がおすすめです。
簿記2級は合格率20%以下の何度の高い資格として知られているため、持っているだけで周囲の就活生と履歴書で差をつけることができます。難易度の高い簿記2級に合格することで自分の価値を高められますし、自分に自信がつくようにもなります。
簿記2級では株式会社を対象にした仕分けを学ぶため、就職後の業務でも数字を使ってプレゼンができるようになっていきます。
4ヶ月程度の勉強と5万円以内の費用で取得できる簿記2級のコストパフォーマンスは高いです。
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簿記2級に合格する最短経路
簿記2級に合格する最短経路もオンライン講座を受講することです。簿記3級までは独学でも合格できますが、簿記2級の試験勉強は情報戦ともいわれ、過去の問題の傾向から対策を組まなければいけません。
試験範囲には工業簿記も追加され、簿記3級の2倍以上に増えるため、独学で進めると遠回りになってしまうことがあります。簿記2級の合格に必要な最低200時間は通信講座やオンライン講義を取り入れると、場所や時間に縛られることなく合格へと近づけます。
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簿記3級に意味がないと言われる、まとめ
簿記3級が意味ないと言われる3つの理由
1.難易度が40から50%の比較的取得しやすい資格だから
2.民間資格だから
3.資格を持っていても実務ができるわけではないから
簿記3級を勉強する5つのメリット
1.家計の管理に強くなり、お金がたまりやすくなる
2.副業の確定申告で青色申告がスムーズにできるようになる
3.次の資格に挑戦したり、ステップアップにつながる
4.事務職や経理職が自分に向いているか判断できる
5.パートに受かりやすくなる
【体験談】簿記3級でパートに採用された
・簿記3級を取ることで、応募できる企業が増えた
・面接で簿記3級を勉強したことが強みとしてアピールできた
・応募した3社すべてから、採用通知をもらえた
簿記3級に合格する最短経路
・通信講座を利用すること
・隙間時間を有効活用すること
簿記3級だけでは転職は厳しい
・就職や転職で有利にしたいなら、簿記2級以上を取得するべき
・通信講座を利用すると勉強期間を短く、効率的に取得できる