簿記2級を過去問だけで合格できる?【結論】難しい!3つの理由と短期間合格ルート

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簿記2級の過去問だけで合格したら「短期間」で「低予算」で合格できると考える方もいるのではないでしょうか。簿記2級を取得した私が結論から申しますと、過去問だけで合格するのは難しいです。

過去問だけで合格するのは難しいのですが、5カ月以内で30,000円以内で簿記2級に合格することは可能です。

こんな人におすすめの記事
・短期間で簿記2級に合格したい
・これから簿記2級の勉強を始めようと思っている
・費用をかけずに簿記2級を取得したい

この記事を書いたのは…

簿記2級,監修

この記事を書いているのは、第151回・合格率12.7%日商簿記2級に合格しました。
改定後、連結会計が初めて出された簿記検定の合格者なので、信頼性もあると思います。

執筆・マコの詳しいプロフィール

簿記2級,合格書

こちらが合格証明書です。賞状のような合格書は引越しの時に紛失してしまったので、再発行していただきました。

簿記2級を過去問だけで合格は難しい3つの理由

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簿記2級の過去問だけで合格するのは難しい理由を3つご紹介します。

特定の範囲しか出ない

過去問には特定の範囲しか出されていません。圧倒的な勉強量不足になるので、合格するのは難しいのです。

過去問に出題されていない論点が試験本番で出題された時には、20点以上を落とすことにもなりかねません。簿記2級の試験は大問5つで構成されています。内訳は商業簿記3問・工業簿記2問で、どれも各20点分の配点がされています。

簿記2級の参考書は商業簿記、工業簿記合わせて数百ページ以上ありますが、試験本番で出題されるのは5つの論点しかありません。過去問10年分以上を解いてもデータ量が不足しているので過去問だけで最新の試験に合格することはほぼ無理です。

基礎理解ができない

過去問だけでは簿記2級の基礎部分が理解できません。

簿記2級に合格するには全体的な流れを把握したうえで「公式」や「勘定科目」を当てはめて回答していくことが重要です。過去問の解説書には解き方は書いてあるものの、「なぜこの勘定科目を使うのか」「どうしてこの計算式になるのか」などは分かっているものとして書かれています。

過去問の解説では公式や勘定科目の意味までは解説してくれません。

工業簿記の基礎理解

工業簿記は暗記だけで解くことは、難しいです。
回答するには「生産ラインの流れ」や「原価」「効率」など言葉の理解が必要です。基礎となる簿記の考え方ができていないと、過去問の回答を暗記するだけになってしまいますが、暗記だけでは合格できないのが、簿記2級です。

簿記2級の勉強時間は150時間~。未経験者は500時間~

新論点のデータが少ない

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過去問には新論点が含まれていないので、対策が立てづらいことも合格できない理由の一つです。第151回以降は新論点も出題されるようになってきましたが、過去問だけではデータが少ないです。

「連結会計」や「リース」などの新論点は、出題者側も手探り状態で出しており、試験によっては炎上するほど難しい内容が出されることもあります。もちろん、参考書の内容を理解していれば解けるのですが、過去問だけでは「考え方」の部分が抑えられません。

新論点のデータが少ない過去問だけで合格するのは難しいです。

簿記2級の難易度は宅建レベル!パート主婦が11カ月で合格したコツ

過去問・予想問題集の使い方

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過去問や予想問題集を使うタイミングや効率的な使い方をご紹介します。

過去問・予想問題集を使う時期

過去問や予想問題集を使うタイミングは「各論点が終わった後」または「試験の1か月前」の2種類です。

各論点が終わった後

参考書で各論点を勉強した後で、問題集を解きます。その後の総仕上げとして過去問の中でその論点が出ている試験を解くと、試験本番にどのように出されるかが分かるので早くから試験の形式に慣れることができます。

試験まで時間がない人におすすめの勉強方法です。

試験の1か月前

試験の1か月前にまとめて過去問題に挑戦して試験本番に備えるという方法もあります。参考書や問題集でムラなく勉強した後の総仕上げとして、過去問を解くと、試験の出題形式や時間配分を体で覚えられます。

社会人が簿記2級に挑戦しているときには時間がありません。過去問を解くためには「時間」と「集中力」を消費します。試験と同じ環境で2時間一気に解かないと本番に備えられないからです。仕事や家事をしながらだと1日に1回分しか取り掛かれないでしょう。

試験1か月前に、最終のまとめとして使うと時間配分や集中力を鍛えられます。

過去問に挑戦する意味

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過去問に挑戦する時には「環境」「道具」「時間」を本番環境に限りなく近づけ、すぐに答え合わせと振り返りを行います。

過去問を解く意味は
・試験の形式に慣れること
・自分の苦手を見つけること
の2点です。

例えば、机の上には試験本番で使う筆記用具と時計を出します。解答用紙も印刷し、さらにA4の真っ白な用紙をメモ代わりとして使います。試験本番では罫線の入ったノートではなく真っ白なコピー用紙が1枚だけ配布されます。慣れていないと横や縦がずれて、計算ミスにもつながってしまいます。

すぐに答え合わせ

過去問や予想問題集を解いたらすぐに答え合わせをし「どこをまちがえたのか」を見つけます。過去問を解く理由の一つに「自分はどこが苦手なのか」を把握することがあるからです。

得点が取れない理由は大きく分けると2つです。
・計算ミス
・詳細に理解できていない

計算ミスは軽く考えやすいのですが、どちらも得点が取れないという点では同じです。同じ失敗を繰り返さないために解説書を読み、苦手な論点はもう一度参考書や問題集へ戻って理解しなおします。

ミスノートを作る

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過去問や問題集などで自分が間違えたところだけを残したノートを作ると早く勉強が進められます。

「間違えた問題」と「間違えた場所」を書いて、次の日、勉強を始める前に読んでから次の論点へとすすめます。過去の自分が間違えたところを復習するだけで、理解できていない部分が分かるようになります。

簡単な計算ミスを繰り返さなくなる効果もあります。

【実証済】社会人が試験に合格する勉強ノート!記憶力を上げるコツ。

よく当たる予想問題集

よく当たる予想問題集を3冊ご紹介します。試験予想の的中率も高いのはもちろんですが、解説書がていねいにつくられているのがおすすめするポイントです。

・TAC出版が出している予想問題集がおすすめ
・過去のデータをもとに講師たちが次に出る問題を予想して作られているので的中率が高い
TAC出版


・AC出版
2021年度版 スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集(旧:スッキリとける 過去+予想問題集)
・日商簿記2級 網羅型完全予想問題集 2020年度


予想問題集は本番試験よりも難しめに作られているので、ひっかけが多かったり、イレギュラーな内容が含まれているケースも多々ありますが、テキストに載っている内容を使えば解ける物ばかりです。

予想問題集で合格ラインの70点をとれるようになれば、自信をもって試験本番に挑めるようになれます。

過去問を無料でダウンロード

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簿記2級の過去問はネット上から無料ダウンロードすることもできます。直近1回分しか提供されておらず、回答はあるもののていねいな解説がないのが一般的です。解説が知りたい方はユーチューブで探したり、参考書と照らし合わせたりして理解することが必要です。

TAC

資格のTACでは過去問題を送付してくれます。TACで作られた解説がセットになっているので解いた後の答え合わせから理解までがしやすく有益な冊子です。

大原

大原でも直近の過去問の解説も行っています。

クレアール

クレアールはネット上で直近1回分の過去問とネット試験の予想問題を掲載しています。

過去問の解説動画も配布されているので、予備校で講義を受けているような感覚で理解することができます。

※ネットスクールはある程度情報が溜まってきたため、予想問題集の配布を終了しています。

クレアールの簿記2級は割引がすごい!胡散臭いと言われるワケと6つの口コミ

5回分以上の過去問が欲しい時

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5回分以上の過去問を手に入れたい時にはフォーサイトの通信講座がおすすめです。フォーサイトの教材の一つに過去問とわかりやすい解説含まれています。過去問の不明点については質問サービスを利用することもできます。

フォーサイトの講師が過去のデータをもとに傾向を分析して作った予想問題も付いてくるので、試験に備えることができます。

過去問1回分を解いただけでは試験の形式に触れることはできても、慣れることはできません。過去問5回分、できれば10回分を解いた方が合格に近づきます。
フォーサイトの簿記2級をおすすめする理由を合格者が7700文字で解説

過去問と予想問題集どっちが効果的?

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過去問と予想問題集どちらも使って勉強するするのが最も効果的です。働きながらや子育てをしながら短期間で取得を目指す時には、時間の確保ができないのが現実です。

残り時間に合わせて、どちらを使うのが適切かご紹介します。

時間が1カ月以上ある時

試験本番まで1か月以上時間に余裕がある時には、予想問題集がおすすめです。

予備校の講師が過去問を分析して作られている予想問題は的中率が高いので、合格に近づけるからです。予想問題集は過去問よりも、やや難しく作られているので、軽い気持ちで手を出すと自信を無くしてしまうこともあります。

試験まで1カ月以上時間があれば、やや難しめの問題にも適応できるように勉強でカバーすることも可能です。予想問題集で80点以上を平均してとれるようになれば、合格は限りなく近くなっています。

時間に余裕があって、合格率を高めたいなら予想問題集を使いましょう。

あと2週間しかない時

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試験本番まで2週間しかないなら、2つ前の過去問からとりかかるのがおすすめです。

直近の試験内容と同じ論点から出題されることは極めて少ないので、2つくらい前だとおなじ論点が出されることもあるからです。連結会計やリース債務など新論点が追加されてからの過去問から解いていきます。

時間がない時にはただ過去問を多くこなすよりも問題1つ1つを理解し、「できる範囲」「解ける問題」を増やすことに重点をおきます。

時間がなくても直近5回分は解いたほうが、合格には近づきます。

1回、落ちているとき

1度、簿記2級に落ちているのであれば、次の試験までに過去問・予想問題集どちらも取り掛かるのがおすすめです。

前回の試験のために簿記2級の勉強を進めているので、基礎部分については理解できているはずです。次の試験に備えて徹底的に「苦手な分野」と「ミスしやすい部分」をつぶすこと集中します。

過去問や予想問題集を多く解くと、初めてみる問題への対応力と瞬発力が付き、試験環境にも慣れることができます。

一度落ちているときには自分が落ちた原因と向き合うことも大切です。

簿記2級に合格するコツ【結論】正しい勉強法と時間の確保

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過去問だけで合格した理由

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過去問だけで合格できる人も少数ですがいますが、共通する特徴があります。

簿記を使う仕事をしている

過去問だけで合格する人は簿記に関わる仕事をしていることがあります。

日常的に簿記に関わる仕事をしていると、毎日のように勘定科目を使用するため自然と言葉の意味や流れを理解しているからです。経理課や税理士事務所に努めていると営業部や人事課など他部署から質問された時に理由をこたえなければいけない場面もあります。

責任感を持って実務に向き合ってる人は簿記2級の資格がないだけで、知識の上では簿記2級以上の実力を持っています。

第151回より前に受験した

第151回以前(2019年2月以前)に試験を受けた人過去問だけで合格している人もいるようです。
第150回までは新論点が追加されなかったため、過去に出題された問題を完璧に勉強すると合格できることもありました。しかし、第151回以降は新論点と呼ばれる「連結会計」や「リース」など過去問だけではデータが少なく、内容も難しい問題が増えています。

新論点が追加されてからは過去問だけで合格できた方という声は減っています。

短期間で簿記2級に合格する勉強方法

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短い期間で効率的に簿記2級に合格する勉強方法をご紹介します。間違った勉強方法で1度落ちた私が失敗した経験をもとに合格した方法です。

通信講座

できるだけ短期間で簿記2級したい方は通信講座を使うのがおすすめです。
通信講座は申し込みから1週間程度で教材が届くので、すぐに始められます。「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるように、「簿記2級を取得したい」と思った熱量を絶やさないうちに勉強を進めることが、一番の合格最短コースです。

通信講座の特徴
・要点がまとめられていて効率的
・プロの講義が分かりやすい
・質問もできて、「わからない」を放置しない

私は使ったのは合格実績が高いフォーサイトですが、スタディングやクレアールなどそれぞれに教材内容が違うので比較検討するのがおすすめです。

おすすめ講座
私が使って、合格できたフォーサイト
フォーサイトの簿記2級をおすすめする理由を合格者が7700文字で解説

すぐに安く始めたいならスタディング
スタディングの簿記2級の口コミをリサーチした結果【コスパ最高】

質問機能が充実しているクレアール
クレアールの簿記2級は割引がすごい!胡散臭いと言われるワケと6つの口コミ

スキマ時間の活用

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短期間で合格したいならスキマ時間を有効活用が欠かせません。1日の勉強時間を増やすことが大切だからです。

簿記2級の初心者にとって一番大切なのは勉強の質よりも量です。どんな方でも次の試験までの時間は限られているので、10分であっても勉強に費やした方が短期間合格に近づきます。

通勤や通学、家事をしている合間に動画講義を受講したり、待ち時間にアプリで1問解くだけでも効果的です。日常生活に簿記2級の勉強時間を細かく組み込むことで、1日の勉強時間が多くなるので合格に着実に近づきます。
簿記2級の初心者が合格した勉強方法と独学おすすめテキスト

簿記2級アプリベスト5!合格者が教える効果的に使うコツ

苦手をつぶす

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短期間で簿記2級に合格するには苦手分野を徹底的になくすことが大切です。初めは「質より量」ですが、一通り参考書で勉強した後からは「質」にも焦点を当てていかないと得点が取れません。

簿記2級の試験に出る問題数は25問程度なので、1問落とすごとに約5点減点されていきます。難易度によって配点は異なりますが約6問苦手な問題が出た時点で合格率はぐっと下がります。

特に工業簿記は範囲が狭いので苦手な論点が1つでもあると圧倒的に不利ですが、満遍なく工業簿記を得意とするとそれだけで40点は獲れるようになります。まずは工業簿記、次に商業簿記の苦手をなくしていきましょう。

工業簿記が難しい3つの理由とどうしても理解できない時の対処法

簿記2級過去問だけで合格のまとめ

・簿記2級を過去問だけで合格は難しい3つの理由は「基礎理解ができない」「問題数が少ない」「新論点のデータがない事」

・過去問・予想問題集はまとめとして使うと効果的。間違えたところは「どこの理解が足りなかったのか」まで理解する

・過去問を無料でダウンロードする方法もあるが、直近1回分しかできない。5回分以上欲しい時にはフォーサイトを利用するといい

・過去問と予想問題集、どちらをえらんでもいい。時間に余裕があるなら予想問題集がおすすめ

・過去問だけで合格した人は日常的に簿記に関わる仕事をしていることが多い。また、新論点の追加される前の試験を受けている

・短期間で簿記2級に合格するためには通信講座を利用するといい